今回は、少し書きにくいテーマである天皇制について、私なりに考えてみたいと思い ます。正直に言えば、学生時代の私は超ノンポリで、政治にも天皇制にもほとんど関 心がありませんでした。また、アメリカという国に対しても、特別な好感を持ってい たわけではありません。そんな私が1960年代初めにアメリカへ渡り、仕事をするよう になってから、逆に「日本とはどういう国なのか」を考える機会が多くなりました。 1960年代のアメリカは、ある意味で最も良き時代だったのではないでしょうか。 自由、平和、豊かさ。世界中の多くの人々がアメリカに憧れていた時代だったと思い ます。しかし、ベトナム戦争への介入以降、アメリカという国は少しずつ変貌してい ったように、私には感じられます。それを見ていると、平家全盛の時代を思い浮かべ ます。「平家にあらずんば人にあらず」そして、『平家物語』の「驕れる者久しから ず」という言葉も思い出します。どんなに強大な国であっても、その繁栄が永遠に続 くとは限りません。
一方、日本を見ると、戦後80年以上が過ぎた今も、過去の日本を必要以上に否定的に 捉える考え方が残っているように感じることがあります。私は、今こそ日本が世界平 和のために、もっと主体的な役割を果たすべき時ではないかと思っています。原爆投 下について、今も「戦争を早く終結させるために必要だった」と考えるアメリカ人は 少なくありません。しかし、広島、長崎では、戦闘員ではない多くの一般市民が犠牲 になりました。もちろん、日本が戦争によってアジアをはじめ多くの国々に多大な被 害と苦しみを与えたことについては、真摯に向き合わなければなりません。 その一方で、日本の戦争とその後の歴史がアジア諸国の独立にどのような影響を与え たのかという点についても、さまざまな角度から歴史を学ぶ必要があるのではないで しょうか。歴史は、一つの見方だけで判断できるほど単純なものではないと思います 。